こんにちは、あるいは、こんばんわ
2017年9月に兄の結婚式が執り行われました
そこそこ仲の良い兄のためにサプライズを準備しました
兄の結婚式までにゲーム「Steins;Gate」に登場する
「ダイバージェンスメーター」を自作して贈った話です
興味があったら読んでもらえると幸いです
※昔のiPhoneに記録用に残していた画像が全て消えてしまいました…無念
兄について
私には3つ年上の実兄が一人おります
幼稚園や小学生の時は私が奴隷のような主従関係でしたが、
社会人になってからは良好になり、
ある程度何でも話せる友人みたいな関係にはなりました
兄は学生の時に生徒会長をする人望のあるタイプで
ファッションにも強い拘りがあり、好きなことを突き詰めていくタイプ
何事にも活発で、見た目も華やかな人
要は「陽キャ」です
「陽キャ」でありながらもアニメ、漫画、ゲームなどサブカルチャーにも関心があり、
大人も泣ける作品「Steins;Gate」をこよなく愛している
ガチのファンの一人です
※兄のことを語ると長々となるので、概要だけを記載しました
経緯について
2017年4月に入籍したとの連絡があり、2017年9月に結婚式が執り行われるとのこと
私は良い思い出になってほしいと思い、サプライズプレゼントを計画しました
あれこれ悩みましたが、「Steins;Gate」の熱量が高い時期だったので、
ダイバージェンスメーターをプレゼントすることにしました
ダイバージェンスメーターとは
ダイバージェンスメーター(世界線変動率計測器)とは、
Steins;Gateに登場する世界線変動率を計測し表示する未来の道具(ガジェット)のことです
ニキシー管を使って数字が表示される下図みたいな感じです
2017年5月 調査開始
ダイバージェンスメーターを入手するために、まずは情報収集を始めました
「Steins;Gate」の公式サイトで販売されていれば簡単ですから
調査結果は「入手困難」
残念ながら公式モデルは数量限定の生産であり、入手することは困難だとわかりました
情報は以下
「ダイバージェンスメーターみたいな時計ってあるのかな?」 「ダイバージェンスメーターみたいな時計を買おうと思ったけど、以…
2015年の販売で再販は無し
30台限定では買い取りも難しいと判断しました
恐らく、ガチのファンが持っているでしょうし、譲ってもらうことも厳しいでしょう
公式モデルは諦めて
類似商品を探してみますが、全く見つかりません
2017年当時では、国内、海外を探しても類似商品がなかったです
困り果てていると
ダイバージェンスメーターを自作している猛者の記事を見つけました
こちらの記事を参考に自作していきます
2017年6月 材料集め
記事を参考にするとはいったものの…
かなり専門的な内容でちんぷんかんぷん…
制作経過の写真と呪文のようなプログラムコードで頭がバグりました
最初の問題は「ニキシー管」
「Steins;Gate」で登場するニキシー管のモデルが全然販売されていませんでした
電気街でも取り扱っておらず、ネットを探しても見つからない…
自作された方の記事を見ると
旧ソ連の生産終了モデルを使用しているとのこと
……オワッタ
と思いましたが、製作者さんも「ニキシー管」の入手に難儀していたようです
「ニキシー管」を入手するまでの経路が記事に記載されており、
販売店のURLをGET
しかし、「ニキシー管」が何か違う…しっくりこない
形はアニメに出てくるタイプで合っているものの違和感が拭えなかった
アニメを見返すとサイズ感に問題がありそう
同じようなサイズ感の「ニキシー管」を探して、発見しました
ロシアで「ニキシー管」の販売をしているサイトに遷移すると
なんと完全ロシア語
マジか…
Google翻訳と辞書を使ってロシア語を翻訳していく作業をして
旧ソ連生産モデルの「ニキシー管」を注文
全てロシア語でお店にメールを送りました
注意書きに「戦時中のモノも含まれているため、初期不良が発生する可能性がある」とのこと
さらに、空輸なので、破損の可能性があると思い、予備を3個ずつ追加購入
数字を表示する大きいサイズを10個、小数点を表示する小さいサイズを4個購入
輸送に4週間ほどかかるとのこと
なんとか「ニキシー管」を確保しました
輸送期間中に残りの部品を確保していきます
自作記事には各部品詳細は載っていなかったので、
写真を頼りに仕事のお休みに秋葉原の電気街へ出かけて
各種部品を買い揃える週末
店員さんには何度も確認して
発注してもらったりとかなり助けてもらいました
全ての部品を買い漁り、最後のガラスショーケースを注文して完了
ハンダ付けなどの道具も必要だったので、部品と合わせて
費用は全部で45,000円くらいしたと思います
2017年7月 プログラムの勉強と図面制作
プログラムも図面制作も完全に未経験なので、
記事を頼りに見様見真似で進めていきました
わからない箇所は参考書を使って独学で進めました
電気街の詳しい人に色々とアドバイスをもらえたのも大変助かりました
制作中にふと疑問が浮かびます
「本当にダイバージェンスメーターを作っても良いのか?」
「ダイバージェンスメーター」は「Steins;Gate」で世界線を移動する時に数字が変わります
つまり、機能としては
1.起動
2.「0.000000%」で点灯
3.7個のニキシー管を光が入り乱れる
4.指定した時間に指定した番号を点灯する
5.3と4を交互に繰り返し、6の順で点灯させる
6.順番は「0.571024%」「0.571015%」「0.523299%」「0.456903%」「0.409420%」「0.337187%」「0.409431%」「0.456914%」「0.523307%」「0.571046%」「0.337199%」「0.328403%」「0.337337%」「0.456923%」「0.509736%」「0.337161%」「0.334581%」で点灯させる
7.計18パターンを経由し「α世界線」を示し、シュタインズ・ゲートを表す「1.049326%」を最後に点灯
以上
純粋にわかる人にしかわからないし、
機能が理解されない数字を点灯させるだけでは、「無駄なもの」認定を受ける可能性がある
「もらったはイイけど…頻繁には使えないし、何より捨てにくい…」
と困らせては本末転倒だろう…点灯だけに…
色々と構想して無難に使い続けられる「時計」に変更
「結婚式から時を刻む」という厨ニ心を擽るようにすれば、納得できるはず
製作途中の図面を破棄して、再度色々と修正
幸い、部品はほぼ足りたので、プログラムの方向を替えて再勉強
時間を表示するプログラムは割りと多くの記事があったので、
なんとか形にすることができてきました
「モノづくり」が得意な友人に相談して見せてみると
アレコレのミスや手直しが発生!汗
「心配だから」と少しだけ手伝ってもらえることになりました
「時間だけだとショボいから、曜日の概念も追加しよう!」と追加機能を提案されました
実は同じような類似商品があることは知っていました
ほぼ完売しており、入手困難ではありましたが、ほぼ完成されている商品です
正直、自作なのに既製品と同じような感じになることが嫌ではありましたが
現状がショボいのも納得していたので、許諾しました
図面やプログラムを色々修正し、基盤も作ってくれることに大変感謝!
時間の表示は「00:00:00」のようにして
「:」(コロン)の箇所は小さい「ニキシー管」を使用しました
2017年8月 組み立てと試運転
兄の結婚式まであと1ヶ月
「ニキシー管」がロシアから届き、中身を確認
個数もあるし、幸いなことに破損もなかったです
一応、点灯確認したところ、「ニキシー管」が光る姿に感動!
「ニキシー管」大サイズの2/10個が調子悪い
光はするけど、少し古びた光り方をするので、
完全に点灯しなくなった交換用に残しておきます
「怪しい光も乙なもの」と思ってはいたのですが、
結婚式のプレゼントに「怪しい光」を贈るのもどうかと思い予備としました
基盤にあらかたの部品をハンダ付けで取り付けていきました
一番大変だったのは、「ニキシー管」の取り付け
「ニキシー管」は円形に端子が15?16ほど伸びており、端子が余計に長過ぎる
邪魔なので、一定の長さになるように全て切断
ニキシー管6個×端子15本=90本を切断
ハンダ付けした時点で「ニキシー管」の高さが決まるため、
キレイにハンダ付けしないとガタガタになっていきます
かなり集中してハンダ付けを行っていきます
アパートの一室で真夜中に汗流してハンダ付けしている…
ニキシー管6個×端子15本=90本をハンダ付け完了
結果:ガタガタになりました
仕事も忙しかくて、睡眠不足だったのもあるし、
経験不足で手が震えていたのも敗因でした
2017年9月3日
試運転を開始…たのむ~
無事に点灯し、時間を刻むことができました
一安心でした
曜日の設定もちゃんとできたので、良かったです
▼完成当時の写真
※画像の背景は削除しました
ドヤ顔で写り込んでいたので…w
2017年9月 渡す計画
「ダイバージェンスメーター」改め「ダイバージェンス時計」が完成
完成させた状態で少し汚いダンボールに梱包して渡します
サプライズは「下げて上げる」が基本なので、期待度を下げるために一工夫しました
兄の結婚式にプレゼントしますが、タイミングが重要です
結婚式最中に渡しても良かったのですが、結婚式後の労いの言葉をかける時間があるらしいので
そこで渡すことにしました
サプラ~イズ
結婚式は無事に終了
親族ということで、新郎新婦の控室に赴きました
兄とお嫁さんに労いの言葉を贈り、兄には汚いダンボールをプレゼント
開封後に兄は大興奮していたので、サプライズ成功!
お嫁さんも「Steins;Gate」が好きだったため、一緒に喜んでもらえました
簡単な操作説明と自作した旨を伝え、
これから先、良い人生になっていくように時間を刻む時計をプレゼントできて満足
大変だったけど、作った甲斐がありました
制作期日:4ヶ月
費用:45,000円