私は糸
私は糸
繊維によって姿が変わるの
ストレートな私
ウェーブな私
カールな私
ポコポコな私
クルクルな私
サラサラな私
スベスベな私
色によって印象も変わるよ
シックな私
ポップな私
ナチュラルな私
スタイリッシュな私
モダンな私
ダンディな私
織り方によって形だって変えられるんだよ
経に緯に直線に配列して
上下に交差させると布になれるの!
素敵だと思わない?
組み合わせは無限大!
高いポテンシャルに天から与えられた才能だと感じるわ
宝石が埋まっている鉱山で採掘するようなロマンがあると思うの!
だからこそ、多くの逸話があるの!
天国と地獄を分けたり
運命の人と赤く結んだり
編めば空を飛ぶ魔法の絨毯になったり!
でも実は私…、困っているの
自分の才能も能力も活かし方だって知ってるわ…
実際に頑張れば高いパフォーマンスを発揮できたし
でも私が頑張れば、頑張るほどに自分が傷付いていくことがわかったの
私は丈夫そう見えて実はとってもひ弱なんだ
私は簡単に解れるわ
それに、容易に千切れたりする
他には、易々と縮れるし
もっと言うと、あっさりと染まったりする
あと、難なく擦れて汚れちゃう
みんな最初は”綺麗”とか”大事にする”ってと持て囃すけど、
少しでも汚れれば、もうバイバイ
好きだった人からのTシャツ
買ってもらったマフラー
プレゼントの手袋
最初に輝いて見えるけど、徐々に輝きを失って
そしてポイ!
私は私を知るほどに臆病になる
それは、私の可能性を知るほどに劣等感を感じるようになっていく
なぜって?
長所は知るほどに短所も見えてくるから…
紡いだ分だけ、私は私を疑うようになってしまったの
純粋に私を信じてあげれば良いのに…
それは、とっても簡単なはず…
誰にでもできるはず
でも私にはそれが難しい…
まるで、ポケットから出したイヤフォンみたいにいつも絡まってるみたい
みんなには簡単に解けるけど、私にはムリ!
「あなたには能力があるんだから!」
「君にしかできない才能なんだ!」
「天才なら当然できるでしょ?」
「色んな所で活躍できるからって粋がるな!」
……周りの意見は別に気にしていない
気にしないようにしているだけ
少し陰気な話をしたけど、私はめげない
だって変えられない使命に足掻いても絡まるだけ
私にしかできないことを続けていくしかない
(…誰か私を救って欲しい)
『私は糸』
Sweet Dreams!「よい夢を」
このエッセイを読んでいる人へ
優れた能力がある人に対して妬んでいませんか?
優れた能力がある人に対して期待し過ぎていませんか?
天才には飛び抜けて優れた能力があったり、凡人にはできないことを平然とできます
しかし、天才には特有の悩みや苦労が多くあり、誰にも共感されません
さらに、凡人には簡単にできることが天才には困難であることもよくあります
強い期待や強い嫉妬は天才を殺します
「大は小を兼ねる」と言います
社会は大多数を肯定し、少数を否定します
もし、あなたの周りに天才や優れた人が友人や同僚にいるなら、
彼らの良い相談相手になってあげてください
エッセイについてはコチラを確認してください
エッセイとは エッセイとは特定の文学的形式を持たず、書き手の随想(思ったこと・感じたこと・考えたこと)を思うがままに書き記した文章のことである らしいです つまるところ、「自由に考えたこと自由に書いていくもの」です 凝り固まった[…]