1日の最後に読むのに丁度よい記事集

【Sweet dreams essay】煤

私は煤

私は煤
小さな燃えカス
真っ黒な埃
触れたら、みんな真っ黒くろ
すぐに私の仲間入り

あまり馴染みのない私
でも巷では、少し人気
大きな木の生える田舎のボロ屋敷に住んでいたり、
私を小さな雪だるまのようにして遊んだり、
爆発した時のお決まりとしてみんなを黒くしている

煙突とは友達さ
毎日、顔を合わせてる
寒い冬になると白髭のおじさんがお邪魔してくるからって
掃除されてしまう
世の中には不思議な白髭おじさんがいるもんだな

私は何にも染まらない
私は誰にも染められない
全てを塗りつぶす黒さが誇り
黒い埃だけに!クックック
ブラックジョーク!

でも私が一体何だったかは覚えていない
ただ、燃えていたことだけは知っている!
今も燃えることはできるけど、視認することはできないだろう

ではどうやって燃えたのか?
猛るように、燃やえたのか
消え入るように、燃えたのか
荒れるように、燃えたのか
瞬く間に、燃えたのか
燃えた埃にはわからない話だ

夢半ばにして燃え残ったのなら、無念だろう
全力を尽くして燃え尽きたのなら、本望だろう
きたねえ花火だと爆ぜたなら、名場面として残るだろう

大切なのは何に情熱を燃やしたかだ
誇りを持って熱く燃え上がったなら、綺麗な私になるだろう
信念なく燃え上がったなら、汚い私になるだろう
それは、火力が証明してくれているはずだ

煤にもできることはある
燃え切ったにも関わらず、違う道に進路を進めることができる
一度失ったとしても、また再起できる
どんなものにも価値はある

要は価値をどのように見出すかが大切なのだ
その他の有象無象にとっては不要の長物かもしれん
しかし、私は書道家にとって価値があるものだ
場所と用途に応じて、物の価値は異なる

燃え尽きても心配するなよ
私になって、再出発できるぞ
いつでも黒の世界を歓迎しているぞ

『私は煤』
Sweet Dreams!「よい夢を」

このエッセイを読んでいる人へ

燃え尽きることは仕方のないことです
一瞬で燃え尽きるかもしれません
長々と時間をかけて燃え尽きるかもしれません

燃え尽き症候群として、空っぽになった人には一切の情熱が湧かなくなるでしょう
しかし、燃え尽きても再度復活は可能です
ゆっくりと自分の価値を知り、必要とされる環境に身を投じるように努めてください
また、燃え尽きた友人や大切な人がいれば、時間をかけて復活できるように寄り添ってあげてください

プレッシャーは禁物です
燃えないことに焦ってしまうと破滅してしまいます
必ず必要とされる場所があるので、ゆっくりと可能性を考えてみてください

エッセイについてはコチラを確認してください

エッセイについて

エッセイとは エッセイとは特定の文学的形式を持たず、書き手の随想(思ったこと・感じたこと・考えたこと)を思うがままに書き記した文章のことである らしいです つまるところ、「自由に考えたこと自由に書いていくもの」です 凝り固まった[…]

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